麻雀

京都の冬は寒かった。朝起きるのが億劫であった。2時限目から授業に出席してクラスの仲間の顔を見た。安心した。普段何をしているのかお互いに分からなかった。ただ、クラスで顔を見るだけだった。たまに話をして昼食を一緒に食べて近況報告のような話をする。バイトやサークルの話をするだけだった。それで何か安心した。自分の立ち位置を確認する作業であった。何か熱中している話を聞くと心がざわつく。刺激になるということだろうが、そのときは理由が分からなかった。平静を装って聞いていた。クラスの仲間と別れて、サークルの部室に行って部屋の中で暇そうな仲間と時間つぶしに話をする。麻雀をする奴らもいる。賭け事は性に合っていない。堅実と自分で思ってはいないが、周りと比較すると堅実であることがわかってきた。豊も麻雀は嫌いだった。夜中まで同じ部屋で繰り返し、途中で抜けることができない。部屋がタバコの煙で充満していて、健康に悪い。豊らしい理由だった。サークルの飲み会のあと、豊の部屋にいった。大学の近くで飲んで、その勢いで豊の部屋に流れ込んだ。ワンルームマンションの3階だった。こいつは裕福だと確認した。ベットが置いてあった。綺麗に掃除している。純次と幸一も一緒だ。サークルの将来について幸一が話をしだした。どうでも良かった。時間つぶしと居場所確保のためにいるようなものだったが、それを言ったら元も子もない。純次は親が学校の先生であったため、真面目だ。真っ直ぐなことをいう。