大文字山

帰り道は、下り坂である。狭い歩道を気をつけながらよく走った。朝6時に起きて予備校にいった。西鉄に乗ると各駅だと少し時間が掛かるが、座っていけた。貴重な睡眠時間である。授業は午後過ぎに終わる。そのあと家に帰ってから夕方五時まで勉強をした。進み具合に係わらず時間になったら、ジョギングをすることにした。唯一の運動であった。その頃を思い出して走ることにした。家から西にいくと鴨川があった。川沿いが絶好のジョギングコースである。薄いクリーム色をした地面を走った。何本も橋の下を通った。三条付近で折り返すことにした。帰りは緩い上り坂なので往路のようにいかなかった。出町柳付近の広場で腕立て伏せを20回行った。昔は100回出来た気がしたが、最近やっていないので衰えてしまった。長時間スロットルを握るためには腕力も必要だと勝手に思ってこれもメニューにいれた。大文字山登山にもいった。登山というほどではないが、銀閣寺橋をわたって参道を上っていく。左右にはお土産やさんが並んでいる。突き当たりを右に入ってしばらくすると「行者の森 大文字山参道」の文字が石碑に刻まれている。アスファルト舗装から砂利道が続き、足裏の感覚が変わった。両サイドの木が多い茂っている坂道を走るというか早歩きで進んでいく。しばらくすると木でできた階段坂が続いていく、息がきつくなったと思ったら休憩所らしいところがあったので、木に腰を下ろした。すぐに走り出し、石の階段が見えてきたので、あとひと踏ん張りと力を振り絞って走った。太ももが痛かった。右側が明るくなって視界が開けてきた。山頂に着いた。京都市内が一望できる絶景である。左手には京都駅方向が右手には北山方向が一望できる。45分掛かったが、来る価値はあると感動した。帰りは下り坂なので転倒しないように気を付けて走った。途中トレーニングで走っている人たちにであった。ものすごいスピードで驚いた。大粒の汗をかきながら上っていったが、帰りは気持ちよく走ることが出来た。たもにハードなトレーニングには良いと思った。家に帰りシャワーを浴びて、ビールを飲んだ。上手かった。気分がよく、ずっとボーッとしていた。α波が脳に出ていると思った。気が付いたら、辺りは暗くなっていた。とんかつが食べたくなったので、いつもの店にいった。大文字山を上ったので疲れたから、ご褒美として「ビックリ盛り定食」を食べることにした。いつもより200円も高いものだ。カニクリーミーコロッケ、メンチカツ、若鶏唐揚げ、若鶏ポン酢などで空腹にはなによりのメニューだ。黄色い漬け物と赤出汁があれば食べきることができる。トレーニングの成果か体力が付いてきた気がした。30分以上は走り続けることができるようになったし、休みをいれると1時間は大丈夫な自信が付いた。