日本地図

久しぶりの日差しを受けて明るい気持ちになっている。気温も高くないので外に出るには絶好の日である。朝の日差しを浴びてバイクを車道まで手で押していく。歩道のところでセルボタンを押した。いつものように低い音でブンブンといっている。こいつも梅雨の間はじっとしていなければならない。軽いストレッチのつもりで大学までいくことにした。毎年のことであるが、梅雨という季節は湿度が高くジメジメしているので苦手だ。じっとしているだけで汗だくになってくる。身体からミネラル分が大量に出て行くので知らず知らずの間に体力が消耗されていく。何日か振りの爽やかな風を受けている。少し遠回りをしてから図書館に着くことにした。館内はいつものように多くの学生が静かに自習をしていた。私も化学の勉強をするために分厚い参考書を持っていた。そのとき、目の前の壁に大きな日本地図があった。在ったというのはおかしいはなしである。入学したときから、すでにそこにあった。だいぶ前壁にあった日本地図、それはあまりに普通の風景だったから気にも留めなかったが、私が今悩んでいることを解決するためには重要なものであり、その地図は存在感が際立ったということである