山中越え

少しずつ遠くにい行くようになった。大学から東側は上り坂になっているので、億劫なため行くことが少なかった。バイクでいくようになってから、白川通りに大きな案内板がある。右折すると大津方面にいくのだが、山中越えと併記してあった。括弧しているところが不思議である。行ってみた。すぐに道が狭くなる。電光掲示板にわざわざ“走行注意”と書いてある。バスとすれ違った。こんな狭い道にもバスが通っているのに驚いた。ぶつかったらひとたまりもない。狭い道を左にカーブしながら走った。すぐに山の中に入った。涼しい風を感じる。少し慎重になっている自分がいた。冬場の道は凍っているかもしれない。右側に小さい川があり、左手は切り立った断崖であった。落石防護のネットが密集している草木の間から見ることができた。道なりに進んでいった。小気味よいカーブが続いている。左右に体重を移動してどうにか走っているというところだった。余裕はない。後ろからの車や対向車がひっきりなしに走っている。「コケタラおしまいだ。」不吉な事は考えないようにしようとした。やっと頂上らしき場所に着いた。駐車して展望台にいったら琵琶湖が見えた。大きかった。深呼吸した。空気が美味しかった。