ドイツ語授業

久しぶりに早起きして学校にいくことにした。今朝も寒くて布団から起きるのに苦労した。一人暮らしを始めてから母親の有り難さがわかる瞬間である。着替えをしてバックを持った。朝飯は、学食で食べることにした。砂利が引いている狭い通りを抜けていく。ジャリジャリと音を立てながら歩いていると少し恥ずかしい気がしたので、静かに歩くことにした。アスファルトの歩道に着いてホッとして、大股で歩くことにした。宝石店の横を過ぎて居酒屋を通って少し歩くと古本屋が目に入った。いつもの風景であるが気になった。学校に着くと、1階に降りる階段を降りていくと食堂の良い匂いが食欲を誘った。いっぱいの人が黙々と朝ご飯を食べていた。並んでいる列の最後尾について、納豆・冷や奴をとった。ハムエッグと焼き魚で悩んだが、洋風にした。320円。周りを見回しても誰も知っている人はいなかったので、一人で食べた。ドイツ語の教授はこの学校にしては珍しく熱心な人だった。英語は少しはできたが、第二外国語をやる理由を見つけることができなかった。英語ができれば事足りると思った。「君!この文章を読んで」慌てて読んだ。そうしていると、廊下から大きな声がした。気にならなかったが、教室内にこだましたときにこれは何か起こっているということがわかった。ヘルメットを被った2~3人が黒板の前に行き、演説を始めた。ビビった。怖かった。気づいたら周りの仲間が、仲間と思っていた奴らがいなかった。教室にいるのは3人だけだった。ほかの奴らはどうしたのか?パニックになった。鉄パイプを持ったヘルメットのひとりが近寄ってきて勝ち誇った顔で言った。「日本にいる他の国の人をどう思うか?その境遇について日本人と比べてどう思うか?」考えたことはなかったし、良く分からなかった。何を聞かれているのか理解できなかった。この状態を早く抜け出したかったが、自分ではどうすることもできなかった。多分、情け無い顔をしていたのだと思う。あと、5分この状態だったら漏らしていた。演壇にいた男が演説を終えた。よく分からなかったが、話が終わった。目の前の大男が話を止めて、他の仲間に肩を叩かれたのでそれに従って教室を出て行った。そのまま、動けない状態で椅子に座っていた。放心状態だった。残っていた同級生が大声を出して、「大事な授業をつぶして、何なんだ!先生もすぐにいなくなった。あいつらが怖いのか!何にも恐くないぞ!」