ユースホステル

茶店の前をバイクで通るといつものように両ちゃんのバイクがあった。近くに駐めて鉄製のらせん階段を上がっていった。大きなテレビがよく見える真正面から左のソファーに両ちゃんが座っていた。「テスト終わったよ。最後は徹夜してドイツ語頑張った。」俺と一緒のことをいったので、なぜかうれしかった。「昨日、純次と朝までビリヤードをやったよ。」「良くやるよ。俺はクラスの奴と飲んでいた。」他愛のない話をしていた。「春休みは帰るの?」、と両ちゃんが聞いてきた。「帰らないよ。どこか行こうかと思っている。」「バイクで?」「そう。日本海か太平洋か迷っているんだ。このまえ小浜までいったから、太平洋も良いかなぁと思っている。」「天橋立は?俺行ってみたいんだ。」「天橋立行ってみたいね。砂州があってきれいなんだろうなぁ。」「ここからだと4~5時間くらい掛かるんじゃないかなあ。」「泊まりがけだなあ。」恐る恐る両ちゃんが聞いてきた、「一緒に行こうか?」待っていましたという感じだった。「いいよ。どこ泊まる?」、と即答した。「ユースホステルが安くていいんじゃ無い。俺の友達に旅行愛好会に入っているのがいるから聞いてみるよ。確かそいつが天橋立にサークルでいったときに泊まったっていっていたから。」、と両ちゃんがいった。いろいろな知り合いがいるみたいで両ちゃんが羨ましかった。ユースホステルとは何だろうと思った。