コーヒーの香り

20/11/2019:いつものように右折して大通りをまっすぐに進んだ。御所を過ぎて大学の校舎を右手に見えたところで右折した。狭い路地を入っていくと両ちゃんの住んでいるところに出た。バイクを道ばたに止めて、階段を上がっていった。ドアホーンを押すと少しして両ちゃんが出て来た。「ごめん。ごめん。もう少し待って。今準備しているところなんだ。中に入って。」部屋は散らかっていて、まさに準備をしているところだった。「昨日バイトで遅かったから、準備は朝することにしたんだ。」自分には出来ない芸当だと思った。何事も事前に準備をしていないと落ち着かない性格だ。「いつもそうなんだけど、朝準備をするようにしているんだ。前の晩に全て準備をすると朝何か忘れ物をしそうだから、朝に準備して点検してから出発するんだ。」物は考えようだと思ったが、「そんな奴は初めて見たけどなぁ。皆準備万端で朝を迎えるけどね。朝寝坊したらたいへんだし、忘れ物しちゃうよ!」「そうだけど、だから朝は早く起きて準備するんだ。」そう自信を持って言われると両ちゃんがいっていることも一理ある気がしてくるから不思議である。「コーヒーをいれてあるから座って飲んでいて。」そういえば、部屋にはコーヒーの良い香りがしていた。そんな余裕があるというところも面白かった。