悩み

まさかこのときの印象が良かったからか、将来また通う羽目になるとは思いもよらなかった。克也は講習に着いていくのがやっとのようだ。クラスが終わったあとでよく教えた。医学部希望の浪人生が多い東京の校舎では、2浪3浪当たり前という話を聞いた。5~6年浪人して医学部に受かるというのもザラだといっていた。そうまでして医者になりたいのかなぁという気がした。世の中いろいろな仕事があると思ったし、医者に合う人と合わない人がいると思う。成績が良いから医学部を受けるというのはどうかと思う。尊敬されるという点は確かに羨ましいところである。朝早く起きて電車に乗っていく。友達がいるので楽しい夏期講習だった。夏休みが終わってまた学校が始まった。いつものように授業が終わって一緒に克也と帰って行った。夏の暑さが過ぎコートが必要となった秋に入って時であった。木の葉が舞っていて、物寂しい季節である。日が暮れるのが急に早くなってくると感じた。克也が言った。「毎日授業が終わってそのまま家に帰って、勉強する。いいのかなぁ。」「そうだな。何か体動かしたいよな。」「・・・・・・・」何か口数が少なかった。「受験まで2年しかないよな。あと2年で何ができるのか?」「そうだなあ。」と克也がいった。何か悩んでいた。すぐにその悩みがわかった。